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皆さんこんにちは
株式会社岩本工業の更新担当の中西です。
~シールドトンネル工事~
都市部の地下には、鉄道、地下道路、下水道、共同溝、電力・通信設備など、さまざまなトンネルがつくられています。
しかし、地上には住宅、ビル、道路、鉄道、河川などがあり、大きく掘り開くことが難しい場所も少なくありません。
そこで活躍するのが、筒状の大型掘削機で地盤を支えながら進むシールド工法です🚇
シールドマシンは、前方の地盤を掘削しながら、機体後方でセグメントと呼ばれる部材を組み立て、トンネルの壁をつくります。
地中を安全に掘り進められる機械化された工法ですが、機械を前進させれば自動的に完成するわけではありません。
切羽圧力、排土量、掘進方向、セグメント、裏込め注入、地表面沈下など、多くの項目を細かく管理する必要があります。
今回は、都市の地下を安全に掘るシールドトンネル工事の技術についてご紹介します。
シールドマシンの前面には、地盤を削るカッターヘッドがあります。
カッターヘッドを回転させながら、油圧ジャッキで機体を前方へ押し進めます⚙️
機械の外殻が掘削直後の地盤を支えるため、地山が崩れる危険を抑えながら施工できます。
掘削した土は、機内へ取り込み、ベルトコンベヤーや配管などで坑外へ運びます。
地盤の種類や地下水条件によって、泥土圧式、泥水式などの方式が使い分けられます。
柔らかい地盤や地下水の多い場所では、切羽前方の土圧や水圧とバランスを取り、地盤を安定させることが重要です。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、シールド工法が駅間トンネルを中心に使われ、近年では地下駅などにも適用されていると紹介しています。
シールドマシンは非常に大きいため、地上からそのまま横方向へ入れることはできません。
最初に発進立坑をつくり、その中でマシンを組み立てます🏗️
立坑の深さ、広さ、周辺地盤、地下水を確認し、安全に施工します。
大型部品をクレーンで吊り下ろし、狭い立坑内で接続していきます。
組立て後は、電気、油圧、排土、換気、資材搬送などの設備を接続し、試運転を行います。
発進時には、立坑の壁を通過するため、地下水や土砂が流れ込まないように止水や地盤改良を行う場合があります。
シールド工事は、マシンが動き始める前から高度な施工管理が必要です。
シールドマシンの前面では、地盤や地下水から圧力を受けます。
機内側の圧力が低すぎると、地盤を過剰に取り込み、地表面沈下や空洞の原因になる可能性があります⚠️
反対に、圧力が高すぎると、地盤を押し上げたり、地上へ泥や空気が漏れたりする場合があります。
土質、地下水位、マシンの深さなどから適切な圧力を設定します。
掘進中は、圧力計の数値だけでなく、掘削土の状態、ジャッキの力、地表面の計測結果などを確認します。
地層が変化すれば、同じ設定では安定しないことがあります。
数値の変化を早く読み取り、掘進速度や圧力を調整することが重要です。
マシンが掘削した体積と、坑外へ出てくる土砂の量は、おおむね対応していなければなりません。
想定より多くの土を取り込んでいる場合、切羽前方やマシン周囲で地盤が緩んでいる可能性があります。
少なすぎる場合は、機内や配管へ土砂が残っている、十分に掘削できていないなどの可能性があります📊
ベルトスケール、流量計、密度計などを使い、排土重量や体積を管理します。
国土交通省のシールド施工に関する資料でも、ベルトスケールやレーザースキャナー、流量計などによる排土量管理が紹介されています。
機械が正常に進んでいるように見えても、土量の収支に異常があれば、掘進を止めて原因を確認します。
シールドマシンは、直線だけでなく、曲線や勾配を持つトンネルも掘ります。
複数の油圧ジャッキの押す力を調整し、少しずつ方向を変えます🎯
マシンは非常に大きく、一度大きくずれると急には戻せません。
現在位置、向き、設計線との差を測量し、小さな修正を積み重ねます。
急な方向修正を行うと、後方のセグメントへ大きな力がかかったり、トンネル内面に段差が生じたりする可能性があります。
地盤の硬さが左右で異なる場合も、マシンが一方へ向きやすくなります。
オペレーターは、測量値と機械の反応を見ながら、先を予測して操作します。
シールドマシンの後方では、分割された円弧状のセグメントを組み立て、リング状のトンネル壁をつくります🧩
専用の装置でセグメントを持ち上げ、決められた順番で配置します。
接合面へ土砂や異物が付着していると、正しく納まらず、隙間や段差が生じる可能性があります。
シール材を傷つけると、漏水の原因になります。
ボルトや継手を正しく接続し、リング全体を安定させます。
一つのリングにずれがあると、その後のリングにも影響するため、毎回の精度管理が重要です。
セグメントは完成後のトンネル構造そのものになるため、運搬時のひび割れや欠けにも注意します。
シールドマシンが通過すると、掘削した地盤とセグメント外面の間に隙間が生じます。
この隙間へ裏込め材を注入し、地盤の緩みや沈下を防ぎます💉
裏込め注入が不足すると、地盤が隙間へ動き、地表面沈下やセグメントの不安定化につながる可能性があります。
多すぎる圧力で注入すると、周囲の地盤へ影響する場合があります。
国土交通省のガイドラインでは、裏込め注入は地山の緩みと沈下防止、漏水防止、セグメントリングの早期安定などのために行い、注入圧と注入量の両方で管理することが重要とされています。
予定量を大幅に超えた場合は、空洞や地盤の崩れがないかを確認します。
見えない隙間へ確実に材料を入れるため、圧力、量、材料の性状を総合的に管理します。
都市部のシールド工事では、トンネルの真上や近くに住宅、道路、鉄道、地下管路などがあります🏙️
わずかな地盤変位でも、周辺構造物へ影響する可能性があります。
工事前から地表面や建物の高さを測定し、掘進中の変化を確認します。
重要な構造物の近くでは、自動計測機器を設置し、常時監視することもあります。
計測値が注意基準へ近づいた場合は、掘進速度、切羽圧力、排土量、裏込め注入などを見直します。
計測は施工後の結果確認だけではありません。
現在の掘進管理が適切かを判断し、次の操作へ反映するための情報です。
都市の地下には、古い杭、基礎、地下管、過去の構造物などが残っている場合があります。
事前調査で位置を確認しますが、図面に記録されていない障害物が現れることもあります🔍
シールドマシンが硬い障害物へ当たると、カッターが損傷したり、掘進方向が変化したりする可能性があります。
障害物を事前に撤去する、地上や立坑から切断する、対応可能なカッターを装備するなどの方法を検討します。
掘進中にトルクや推力が急変した場合は、地盤変化だけでなく、障害物の可能性も考えます。
トンネルが長くなるほど、セグメント、裏込め材、部品などを切羽近くまで運ぶ距離が長くなります。
掘削土を坑外へ出す設備、作業員の移動、換気、排水、電力、通信も延長しなければなりません🚋
資材運搬が遅れると、シールドマシンを止めることになります。
坑内の狭い空間で、往路と復路をどのように分けるか、緊急時に避難できるかを計画します。
マシン本体の技術だけでなく、後方設備全体を安定して運用する力が、掘進速度と安全を支えます。
トンネルの終点には到達立坑を設け、シールドマシンを到達させます。
発進時と同様に、壁を通過する際の地下水や土砂の流入を防ぐ必要があります💧
設計位置へ正確に到達させ、マシンを分解して地上へ搬出します。
大型部品を狭い立坑からクレーンで吊り出すため、分解順序や吊り位置を計画します。
現場条件によっては、マシンの一部を地中へ残す場合もあります。
到達まで無事に掘り進めるだけでなく、設備撤去やトンネル内部の仕上げまで考えた計画が必要です。
シールド工法は、大型の掘削機で地盤を支えながら進み、後方でセグメントを組み立てる高度に機械化されたトンネル工法です。
しかし、安全な施工には、切羽圧力、排土量、掘進方向、セグメント、裏込め注入、地表面変位などの細かな管理が欠かせません。
都市の地下には、多くの建物や既設設備があります。
地上への影響を最小限に抑えながら、見えない地中を正確に進むには、機械、測量、地質、計測を組み合わせる必要があります。
巨大なマシンの力と、数値の小さな変化を読む技術。その両方によって、都市の地下空間は安全につくられているのです🚇⚙️✨